森に抱かれて

次の日、智子の願いが通じたのか、昨日の雨が嘘のようないい天気となり青空が輝いている。

「よしっ、行くぞ」

「はい」

智子は表のプレートを『CLOSED』にして、鍵をかけ、前を行く佐藤に付いて行く。

「暑いですね〜、あとどのくらい歩くんですかぁ」

「…まだ、5分しか歩いてないでしょ」

うっ。でも山道なんだもん。結構キツイ〜。

「沢って、遠いんですか?」

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