森に抱かれて

佐藤は智子が指差す先を覗き込む。

「あっ、ホントだ。これ、茜だよ」

「やったーっ!イェーイっ」

二人、思わず両手でハイタッチ。

「よしっ、シンイチ、掘れ」

佐藤はスコップを智子に手渡す。

「おーっしっ」

スコップを受け取ると智子は雑に掘りはじめる。

「おいっ、根が大事なんだから、丁寧に掘ってくれよ」

「そうでした」

智子は茜の回りを丁寧に掘り始める。

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