森に抱かれて

「はいっ」

あと1個なら、ちょっとくらい寄り道してもなんとかなるよね。

佐藤を先頭により狭い道をしばらく歩くと、より鮮明に水のセセラギが聞こえて来る。

「ほら、あそこ」

佐藤が指差し、智子は佐藤の後ろから前を覗き込む。

「ん?どれ。あっ、ホントだっ!」

水が綺麗なんだろうな。

「ちょっと、手を洗ってみてきてもいいですか?」

「ああ。気をつけろよ」

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