森に抱かれて

智子は意識を無くす。佐藤は、智子を抱き上げると、沢から上がり、一旦智子を下ろし、ポケットからケータイを取り出し、119番に電話を掛ける。

「意識が無いんです。至急、お願いしますっ」

電話を切ると、再び智子を抱き上げ、とにかく、来た道を引き返す。

「うっ…」

佐藤は右足首に痛みを覚え、徐々に引きずるようになるが、それでも歩き続け、結局、喫茶店まで戻った頃、やっと救急車が到着。

「遅いんだよっ!」

智子は担架で運ばれ、佐藤も一緒に乗り込む。

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