森に抱かれて

「怪我した時はどんな具合だったの?」

「倒れた時に沢の中の石で頭を打ったみたいで、頭から血を流してて、意識を失ったんだ…。打ち所が悪かったら…」

佐藤はうなだれて頭を抱える。

「しっかりしなさいよっ、謙太郎」

「シンイチになんかあったらどうしたらいいんだよ…」

「…」

「…俺のせいなんだ。俺が、シンイチを連れ出さなかったら良かったんだ」

「…謙太郎」

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