森に抱かれて
「だけど、なれなくて。…成り行きで俺んとこ来ただけなのに、なんか、張り切って働くんだよな」
「…」
「家賃もいらないし、食べる事だって困らないのに、俺が軽く言ってみた喫茶店で稼ごうと必死で。俺の商品まで売ってくれて、俺の売上の事まで気にしてくれて」
「そうね」
「そうなってくると、俺もシンイチのペースに巻き込まれて、今まで大して気にしなかった売上上げることに興味が出て来て」
「…」
「シンイチに巻き込まれる事が心地良くなってきてた」