森に抱かれて
「…そうだな」
「私、一回帰って、要に報告して、なんかしんちゃんの着替え持って来るね」
「ああ、悪いな」
「謙太郎はずっとそうしてなさいよ。しんちゃんが目、覚ました時に、顔を見て貰えるようにね」
「なんだそれ?」
「眠りの森の美女方式よ」
「は?」
「目覚めた時に最初に見た人を好きになっちゃう、みたいな?」
ニタニタと笑いながら、美咲は病室を出て行く。
「…何馬鹿な事言ってんだか」
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