森に抱かれて
目覚めの時
それから何時間か経過して、美咲が要と一緒に病室に戻って来る。 病室では、佐藤がベッドの横に椅子を持って来て座っている。
「どう?」
美咲がベッドを覗き込む。
「まだ、起きない」
「え?まだ?」
「ああ」
「大丈夫なのか?」
心配そうに要も智子の顔を覗き込む。
「…なんか、気持ち良さそうに寝てるな」
思わず笑う要。
「ああ。先生も様子見に来られてそう言われてた。これはおそらく熟睡してるだけだって」