森に抱かれて

「じゃ、しんちゃんと話も出来た事だし、帰るね」

「ああ」

智子は上体を起こそうとする。

「ああっ、いいから、いいから。寝てなさい。じゃあな」

要と美咲は振って病室を出て行く。二人が出て行くのを見届けると、佐藤はベッドの智子に向き直る。

「目が覚めて良かった」

「すみません、佐藤さん」

「謝まるのは俺の方だよ。悪かったな、俺が足場の悪いのわかってて、あんな所に連れてったばっかりに」

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