森に抱かれて

「ん?」

思わず書類を何枚か手に取る。

「…」

紙には、オリジナル商品の案や、ロゴの大きさ、売上目標などが、殴り書きしてある。

「…ん?」

落ちている切れ端を拾い上げると、ペンで『さともり』と書いた布を別の布に縫い付けてある。

「…練習してたんだ。それで、寝不足だったってわけか」

佐藤はテーブルの上にそっと書類と布を置き、部屋を出る。

「…。茜、取りに行くか」

佐藤は置き去りにしてきた茜とスコップを取りに再び沢へ向かう。

< 420 / 494 >

この作品をシェア

pagetop