森に抱かれて
ログハウスに着き、『CLOSE』のプレートが掛かるドアの鍵を佐藤が開けて入り、智子は少し緊張した面持ちで、後に続く。
「…」
「どうした?」
出入口で立ち尽くす智子を佐藤が振り返る。
…変わってない。良かった…。
「コーヒー入れるから、座ったら?」
「ありがとうございます」
「ま、インスタントだけど」
笑いながら佐藤はカウンターに入りインスタントコーヒーを2杯入れて、智子が座っているテーブルに持って来て、いつもの定位置に座る。