森に抱かれて
「オリジナル?」
「はい。わざわざこんな山奥まで着ていただくお客様には、ここでしか手に入らない物を提供したいと思いまして」
「いいわね〜、この色。茜でこんなに綺麗に赤に染められるなんて、さすが佐藤先生ね。ますますファンになっちゃう」
「あ、佐藤先生呼んで来ましょうね。体験教室の件ですよね?」
「ええ。ありがと」
智子は裏口から佐藤を呼びに行く。
「佐藤さん、中里さんがいらっしゃってますよ」