森に抱かれて

「あ、中里さん?すぐ行く」

佐藤はさっと身の回りを片付けると急いで表の出入口に回って、中に入ってくる。

「すみません、お待たせして」

佐藤は中里の向かいに座る。

「あら、そんなに待ってはないのよ。待ってるのは、体験教室」

「すみません…」

「ふふっ。この前のお世話になった瀧澤さんがね、前回生徒さんたちにとっても好評だったから、次は是非、生の藍の葉で染められないかしらって、佐藤先生に聞いてみてって言うもんだからね」

< 431 / 494 >

この作品をシェア

pagetop