森に抱かれて

思わず吹き出す佐藤。

「あら?どうかした?」

「いえいえ。そうです。あのラムネ色です」

「いいじゃないの。夏らしい色で」

「はい。それと、あれは素材が絹なんです」

「絹?」

「はい。生葉の場合、毛糸や綿は染まり難くて、絹が一番いいんですよ」

「そうなの〜」

「濃くしたければ、まあ、何度も染め重ねるればいいんですが、ただ」

「ただ?」

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