森に抱かれて

佐藤に連れられ、全員裏庭に広がる藍畑に出て刈り取りから始める。

「時間との勝負なんで、刈り取ったら、手早く葉っぱをむしって、茎と葉に分けてくださいね」

「は〜いっ」

佐藤の指示に従いながら、皆、時折、工程表で確認しつつ、作業を進めて行く。

途中、智子は、作業の合間を見計らっては、凍らせていたオシボリを配ったり、冷たい麦茶を用意したりと、細々と動き回る。

「あ、中里さんも麦茶どうぞ」

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