森に抱かれて

あ、そういうこと。

「その私たちのちょっとした不満を、こうやってあなたが気を効かせて和らげてくれてる」

「いえ、私は、別にそんなつもりじゃ…」

「ううん、あなたがいないと体験教室しないって佐藤さんが言ってた意味がよくわかったわ」

「…」

「私、あなたを応援するから、頑張ってね」

「はぁ…」

言うだけ言うと、中里は紙コップを智子に返して作業に戻る。

…つまり、佐藤さんの役に立ってるって事よね。

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