森に抱かれて
「中の事はシンイチがやってくれるから、ちょっとくらい遅くなってもいいやって思ってさ」
「…。それでも皆さん佐藤さんと話したいんですから、片付けは後にしてなるべく早く戻って来て下さい」
「そっか。次回から気をつけます」
「お願いします」
智子は食器を洗いはじめ、佐藤は裏口から外に出て行く。
ん?今、佐藤さん裏口から、出た?珍しいな。あ、もう戻ってきた。
佐藤はそのまま智子のいる流しの前のカウンターに座り、手に持ってきた布を広げて見せる。