森に抱かれて

「中の事はシンイチがやってくれるから、ちょっとくらい遅くなってもいいやって思ってさ」

「…。それでも皆さん佐藤さんと話したいんですから、片付けは後にしてなるべく早く戻って来て下さい」

「そっか。次回から気をつけます」

「お願いします」

智子は食器を洗いはじめ、佐藤は裏口から外に出て行く。

ん?今、佐藤さん裏口から、出た?珍しいな。あ、もう戻ってきた。

佐藤はそのまま智子のいる流しの前のカウンターに座り、手に持ってきた布を広げて見せる。

< 453 / 494 >

この作品をシェア

pagetop