森に抱かれて

佐藤は智子に前掛けを差し出す。

「え?私に?」

「そりゃそうでしょ。他に誰が使うんだよ、ラムネ色」

うっ…。まだ言ってる。

「ほら」

「ありがとうございます」

智子は前掛けを受け取る。

「付けてみてよ。…乾いてないけど」

智子は言われるままに前掛けを巻いて見せる。

「どうですか?」

「ん。いい、いい。」

「でも、シルクの前掛けなんて高かったんじゃないですか?」

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