森に抱かれて

「そうだな」

二人は並んでドアの隣の窓からそ〜っと外を覗き見る。

あっ!

「要っ?」

「要さんっ!」

佐藤は急いで、ドアを開ける。と、同時に、要が入ってくる。

「早く開けてくれよっ。暑いんだから」

「なんなんだよ、急に来て」

「なんなんだよ、じゃないよ。お祝いだよ、お祝い」

「お祝い?」

「お前じゃなくて、しんちゃん」

「え?私?」

不意に名前が出て驚く。

< 463 / 494 >

この作品をシェア

pagetop