森に抱かれて

10時25分、なんとか間に合ったな。良かったぁ。『クマ』も隠せたし。うふっ。こうして見るとまだ20代で通るんじゃないの?…無理か。

「おーい、謙太郎〜」

あ、誰か来たっ。オーナーの息子さんよね、多分。よし、行ってみよっと。

部屋を出て階段を下りながらレストランスペースの様子を伺う。

「謙太郎〜、いないのかぁ?」

あれ?佐藤さんいないのかな?

「あ」

「あ」

目が合っちゃった。

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