森に抱かれて

「ああ、やってない」

「休業でもなく、『やってない』んですか?」

「そうだな。正確に言うと、やってたけど、お客も滅多に来ないし、来たら来たで面倒臭いんで、やめたってとこかな」

「お客が面倒臭いって…。他に何かお仕事されてるんですか?」

「あ、良く聞いてくれたね」

ほら、またフワッと笑う。

「あれ見て、あれ」

男は窓を指差す。

ん?何?カーテン?あの水色のカーテンが何か?

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