扉
スタート
今日はとても暑かった。
引越し先のアパートにたどり着く頃には、汗で身体中がベタベタしている。
仁志は思わず立ち尽くし、その建物を見上げた。
今にも壊れそうな古いアパート。
トイレ・風呂付き、おまけに廊下には共同の洗濯機まで付いており、駅から徒歩7分という好条件で激安な家賃なのだから仕方ない。しかし…汚い…。
(まぁ、あの家よりはマしか)
仁志は少ない荷物を抱えて管理人の部屋をノックした。しかし何の返事もない。留守かと思った瞬間、静かに少しだけ扉が開いた。
(!?)
少々開いた扉の隙間から、何かを物語るかのような目線で仁志を睨み付ける女が見えた。
しかし女という事しか分からない。顔は若そうにも見えるが、疲れきっているようにも見え、しかし目付きだけはギラついている。
まさに年齢不詳だ…
「あんた誰だよ」
女の問いに仁志は慌てて
「今日からお世話になります、赤川と申し…」
「新入りか。あんたの部屋は隣だよ」
ぶっきらぼうに答えたかと思うと扉を閉じようとした。
仁志は「この人が管理人で上手くやっていけるのかな…?」
と不安を感じたが、これからしばらくは更に仁志の不安は募る事になる…
引越し先のアパートにたどり着く頃には、汗で身体中がベタベタしている。
仁志は思わず立ち尽くし、その建物を見上げた。
今にも壊れそうな古いアパート。
トイレ・風呂付き、おまけに廊下には共同の洗濯機まで付いており、駅から徒歩7分という好条件で激安な家賃なのだから仕方ない。しかし…汚い…。
(まぁ、あの家よりはマしか)
仁志は少ない荷物を抱えて管理人の部屋をノックした。しかし何の返事もない。留守かと思った瞬間、静かに少しだけ扉が開いた。
(!?)
少々開いた扉の隙間から、何かを物語るかのような目線で仁志を睨み付ける女が見えた。
しかし女という事しか分からない。顔は若そうにも見えるが、疲れきっているようにも見え、しかし目付きだけはギラついている。
まさに年齢不詳だ…
「あんた誰だよ」
女の問いに仁志は慌てて
「今日からお世話になります、赤川と申し…」
「新入りか。あんたの部屋は隣だよ」
ぶっきらぼうに答えたかと思うと扉を閉じようとした。
仁志は「この人が管理人で上手くやっていけるのかな…?」
と不安を感じたが、これからしばらくは更に仁志の不安は募る事になる…