あの丘の上で【上】


「私しかいないでしょう?
…守ってみせる。まかせて!」


「嫌な役を押し付けて、ごめんね?ありがとう。」


そんな顔しないでよ。


「どこに、眠らせておくの?」


「…私、この部屋からは出られないから。ここしかないかもしれない。」


「…あるよ。鍵だけじゃなくて、雪菜自信を私に預けてくれるなら、私が責任を持って逃げる。」


そう言ってから、私が雪ちゃんのためにお菓子とかを詰め込んできたトランクを指差す。


「この中で寝かせて、雪ちゃんにしか破れない結界を張ってこれを小さくしてくれたら、肌身離さず守り通します。」


たとえ、この国から追われようとも。

< 446 / 468 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop