あの丘の上で【上】


「大丈夫です。昔の自分に負けていられませんから。」


怖くないと言ったら全くの嘘だ。


怖い。


私自身が変わってしまいそうで。


でも、私が向き合わないと、進まない。


「やります。」


「じゃあ、雪ちゃん、結界を解いて、元の大きさに戻して?」


言われた通りに元に戻す。


手の震えを悟られないように。


「琴ちゃんも一緒に開けてくれないかな?」


締める時に2人で締めたのなら、開ける時も2人で開けないと。

< 450 / 468 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop