あの丘の上で【上】
「大丈夫です。昔の自分に負けていられませんから。」
怖くないと言ったら全くの嘘だ。
怖い。
私自身が変わってしまいそうで。
でも、私が向き合わないと、進まない。
「やります。」
「じゃあ、雪ちゃん、結界を解いて、元の大きさに戻して?」
言われた通りに元に戻す。
手の震えを悟られないように。
「琴ちゃんも一緒に開けてくれないかな?」
締める時に2人で締めたのなら、開ける時も2人で開けないと。