あの丘の上で【上】
あとは、
「もしもし、藤井君?」
『あれ?電話?』
いつもはメールだから電話にびっくりしているみたいだ。
「ちょっと大切な話があるの。」
『何?』
「明日、何かが起こるかもしれない。ちょっとだけ警戒してて、気をつけてね。」
どうしても、藤井君だけには言っておこうと思った。
ただ、詳細は言えなかった。
『わかった、高瀬さんもね。』
でも、それだけで、何かを感じ取ってくれたみたいだ。