戻りたい。戻れない。
『そういえばさ』
ふいに、彼が思い出したかの様に言った。
「ん?」
『クリスマスプレゼント、渡せてなかったじゃん?』
「12月は予定が合わなくて一回も会えなかったもんね」
12月。クリスマスにデートをしようと約束していたのだが、彼と私のスケジュールが一切合致せず、結局デート出来ず終い。
12月は一度も顔を合わせることなく過ぎ去ってしまったのである。
『そうそう。だからさ、今日、お前に遅めのクリスマスプレゼント買ってやる』
彼の言葉に私は面食らったように驚いた。
「そんな、いいよ!だってこの間ペアリング買ってもらったばっかりだし…。悪いってば」
そんなに物を買ってもらってばかりなのは、凄く気が引けるというか…まるで貢がせているかのようで少し嫌だった。
彼だって決してお金持ちな訳ではない。
私の為にお金を使わせるのは、申し訳ないのだ。
『いいの。俺がそうしたいだけだから』