今日もキミと空を仰ぐ
いつもの場所で ──真美side──
「真美ー!亜美ちゃーん!早くー!」
そう、フェンスの向こうから叫ぶ、男の子。
大久保勇希(オオクボユウキ)
背が高くスラッとした体型。
声が大きくて、毎朝私に挨拶してくれる。
面白くて人気者の大久保君は、なぜか私と仲良くしてくれて、毎日一緒に帰ることが日課になっている。
もう一人は、田中令(タナカレイ)
田中君も背が高くて、大久保君と同じような体格。
田中君もクラスの皆から慕われていて、お笑い担当なのかな。
よく皆を笑わせている。
だけど、バスケ部の二人は、バスケをするときだけは一変して、真剣になる。
私はそのときの二人が好きなんだ。
なんだか、ドキッとする。
今も、バスケ部が終わって、私達テニス部のコートまで来て待っていてくれる。
「ごめん!今行くね!」
そう言って素早く荷物をまとめ、走ってグラウンドを出た。