今日もキミと空を仰ぐ
今なら、真や他の男子達が堀田真美を好きになる理由が分かる気がする。
堀田真美と話してみたいと思う、女子の気持ちも。
堀田真美には言葉では言い表せない、魅力があるんだ。
その魅力に惹きつけられ、気付いたら好きになっている。
そんな感じかな。
堀田真美は、皆で話すとき、決して話し手にはならない。
いつも決まって聞き手になる。
だけど、上手く相づちをうって笑ってくれるから、話し手はきっと、話すのが楽しくなるんだろう。
そして、堀田真美に自分のことを、もっと知ってもらいたくなる。
「あれ?斉藤さん…?」
私がずっと目で追っていたからだろう、堀田真美は私の存在に気付いた。
そして、休憩がてら、フェンスの近くに走ってきた。
「やっぱり。斉藤さんだ。どうしたの?」
そうやって、いつものように優しく微笑みながら私に問いかけた。