今日もキミと空を仰ぐ
憧れ ──真美side──
「わぁ、すごい雨じゃん」
テーブルに朝ご飯が並べられていく中、眠そうに二階から下りてきた私と年子の弟がそう言った。
その言葉につられて私も窓の方に目を向けると、大粒の雨が大きな音を立てて降っていた。
わぁ……。
本当にすごい雨…。
もう六月も中旬だから、本格的に梅雨が始まっちゃったのかなぁ。
これじゃあ、部活ができないな…。
「お姉ちゃん」
トーストをかじりながら素っ気なく私を呼ぶ、弟の陵(リョウ)。
「なに?」
コーヒーを啜り、香ばしい香りを楽しんでいたら、陵はとんでもない事を言ってきた。
「お姉ちゃんって好きな人いるっていうか……いたことあんの」
驚きのあまり、飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになってしまった。