ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
いったい朝から誰かしら。そう思いながらスマホを手に取ると、何と発信者は新藤さんだった。


「も、もしもし」

『新藤です』

「おはようございます!」

『おはよう。起こしちゃったかな?』

「い、いいえ。とっくに起きてました」


本当は今起きたところだけどね。


『そう? 急で悪いんだけど、付き合ってくれないかな?』


…………えっ?

それって、まさかの告白!?
本当に急だけど、もちろん私に異論なんかあるわけもなく……


「はい。お付き合いします!」


と即答した。


『そうか。ありがとう。まみがどうしても君に会いたいって言うんでね……』


はあ? まみちゃん?

なんだあ。付き合うのは新藤さんとじゃなくて、まみちゃんとなのね?
そりゃあ、そうよね……


「私もまみちゃんに会いたいです。昨夜は急に帰っちゃったので……」

『うん。まみもあれからずっと元気がなくてね。君と風呂に入ったりが、よほど楽しみだったみたいなんだ』

「そうなんですか……」

『車で迎えに行くから、遊園地かどこかへ一緒に行ってくれないかな? 午前中だけでいいから』

「いいですよ。わかりました」


午前中と言わず、一日中でも私は構わない。何なら、新藤さんのお宅にお泊まりでも……

さすがに、そんな事は言えないけれども。

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