ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
「みんなを早く帰して、電気代を節約するの? いくらなんでもセコすぎでしょ?」
すぐに渡辺さんの突っ込みが入った。私も同感だ。
「まさか。甘いな」
「じゃあどういう事ですか?」
「それはだな、ズバリ我々の時間外手当さ」
「あっ」
「えっ?」
その言葉に、私達3人はみな動揺してしまった。というのは、広告部の社員は全員が“打ち切り時間外”と言って、実働時間がそれに満たなくても毎月一定額の時間外手当が支給されているのだけど、その金額は決してバカにできない。もしカットでもされたら大事だ。
「カットされるって事?」
「たぶんね」
「それは困るよ!」
と大声を出したのは、意外にも課長だった。
「まだ家のローンが残ってるのに、それは勘弁してもらいたい」
という事らしい。私は気楽な実家暮らしの独身だけど、それでも大きな減収は私だって困る。
「君だってマンションを買ったばかりじゃないか?」
と、当の佐藤さんは課長から言われたけど、
「もちろん俺だって困りますけど、それしか考えられないじゃないですか……」
と暗い声で言い、私達は「うーん」と考え込んでしまった。
すぐに渡辺さんの突っ込みが入った。私も同感だ。
「まさか。甘いな」
「じゃあどういう事ですか?」
「それはだな、ズバリ我々の時間外手当さ」
「あっ」
「えっ?」
その言葉に、私達3人はみな動揺してしまった。というのは、広告部の社員は全員が“打ち切り時間外”と言って、実働時間がそれに満たなくても毎月一定額の時間外手当が支給されているのだけど、その金額は決してバカにできない。もしカットでもされたら大事だ。
「カットされるって事?」
「たぶんね」
「それは困るよ!」
と大声を出したのは、意外にも課長だった。
「まだ家のローンが残ってるのに、それは勘弁してもらいたい」
という事らしい。私は気楽な実家暮らしの独身だけど、それでも大きな減収は私だって困る。
「君だってマンションを買ったばかりじゃないか?」
と、当の佐藤さんは課長から言われたけど、
「もちろん俺だって困りますけど、それしか考えられないじゃないですか……」
と暗い声で言い、私達は「うーん」と考え込んでしまった。