ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
「ま、まみちゃん……!」


私は慌てて新藤さんから顔を離した。


「わたしもチューしたい」


あちゃー。しっかりまみちゃんに見られちゃったのね……


「ん……まみも起きたか?」


げっ。新藤さんまで起きちゃった!


「まみ、オシッコか?」

「ううん。まみもりなちゃんとチューしたい」

「はあ?」


や、やばい!


「まみちゃん、私とおトイレ行きましょう!?」

「いいよ。僕が……」

「大丈夫ですから。さあ、行きましょう? お漏らししたら大変!」


私は、素早い動作でまみちゃんに近付き、「チューしたい」とか言ってるまみちゃんをヨイショと抱き上げ、おトイレへ向かってダッシュした。


私が寝込みを襲って新藤さんにキスした事、彼にバレちゃったかなあ。


「りなちゃん?」

「なあに?」

「オチッコでない」

「そうなの?」

「さっきちたから」

「あら、そう? 偉いわね!」

「チューしよ?」

「いいわよ?」


私は廊下で立ち止まり、まみちゃんを抱っこしたまま、まみちゃんの可愛いお口にチュッとキスをした。


「もっと」

「え?」

「パパみたいに、もっといっぱいちて?」


うわっ。まみちゃんにずっと見られてたんだ。ちっとも気付かなかったわ……


「いいけど、内緒にしてくれる?」

「ないしょ?」

「そう。パパにチューの事は言わないで?」

「どうちて?」

「それは……恥ずかしいから。ね? 言わないで?」

「うん。いわない」

「いい子ね? じゃあ、長いチュー行くわね!」


一応まみちゃんに口止めはしたけども、大丈夫かなあ。というか、既にバレてたりして……?

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