ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
「す、ストーカーですか!?」


思いもよらない言葉が竹宮さんから出て、私は思わず大きな声を出してしまった。廊下で話してたのだけど、遠くの人が驚いた顔で私を見ていた。


『それは大げさかもしれないけど、僕は十分迷惑してるんだ』

「どういう事なんですか?」

『それが変な話でね。この前、会社に電話が来たんだ。僕を名指しでね。女性の声で“鈴木”と名乗ったが、どうせ偽名だと思う。そしてその女が言うには……』


なぜか竹宮さんはそこで言葉を切り、電話ではあるけれど、二人の間に重たい空気が流れた気がした。


『君が僕に会いたがってると……』

「えっ?」

『可笑しいだろ?』

「可笑しいと言うより、気持ち悪いです。だって……」

『そうだよね? 君には、そんな気持ちは毛頭ないわけだからね』

「それは……」

『いいんだ。この前の電話で分かったから』


ああ。それで竹宮さんは私に連絡して来たのね。でも、いったい誰がそんな事を……?

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