ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
お互いあまり食欲がない、というより、それどころではないという感じで、二人とも軽めのパスタをオーダーした。
ウェイトレスさんが去って行くと、竹宮さんは前屈みになり、私に顔を近付けて来た。そして、
「どうかな? 店内に見覚えのある女性はいる?」
と小声で言った。
「え?」
「例の女が店内にいるかもしれないからさ」
「ああ……」
そういう事か。つまり、“鈴木”と名乗る女性がこの店内にいるかもしれないという事ね。竹宮さんが、その人に言われた通り私と会っているかを確かめるために、自分もここに来ている、という可能性は大いにあると思う。
私はさり気なく周囲を見渡した。
客は、私達の他には男性が一人と、女性の二人組だけ。もちろん男性の方は除外するとして、女性二人をよく見たけど、全く見覚えのない人達だ。
二人ともOL風で、年令は私より少し上ぐらいかな。食事をしながら楽しそうに会話をしていて、私達には全く関心がないように見える。
他に女性と言えば、オーダーを取りに来たウェイトレスさんだけだ。もちろん私の顔見知りではなく、年令は40歳前後というところだろうか。
「いません。竹宮さんはどうですか?」
ウェイトレスさんが去って行くと、竹宮さんは前屈みになり、私に顔を近付けて来た。そして、
「どうかな? 店内に見覚えのある女性はいる?」
と小声で言った。
「え?」
「例の女が店内にいるかもしれないからさ」
「ああ……」
そういう事か。つまり、“鈴木”と名乗る女性がこの店内にいるかもしれないという事ね。竹宮さんが、その人に言われた通り私と会っているかを確かめるために、自分もここに来ている、という可能性は大いにあると思う。
私はさり気なく周囲を見渡した。
客は、私達の他には男性が一人と、女性の二人組だけ。もちろん男性の方は除外するとして、女性二人をよく見たけど、全く見覚えのない人達だ。
二人ともOL風で、年令は私より少し上ぐらいかな。食事をしながら楽しそうに会話をしていて、私達には全く関心がないように見える。
他に女性と言えば、オーダーを取りに来たウェイトレスさんだけだ。もちろん私の顔見知りではなく、年令は40歳前後というところだろうか。
「いません。竹宮さんはどうですか?」