ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
たぶんお客さんが来たのだと思う。という事は、ついにその女性が姿を現したのかしら……!


と一瞬緊張したものの、すぐに竹宮さんはそちらから目を逸らし、スパゲティをフォークの先で巻き始めた。


「違うんですか?」


と私が小声で聞くと、


「うん。親子連れだから……」


と竹宮さんは言い、スパゲティを口に運んだ。

親子連れでは確かに違うだろうなと私も思った。その女性が家族と同伴で来るとは、ちょっと考えにくいから。


私もスパゲティを食べようと思い、フォークの先でクルクルと巻き、口に運ぼうとしたのだけど……、その手はピタッと止まった。


嘘でしょ?


私から3メートル程離れた横を通って行ったその親子連れの客は、なんと新藤さん達だった。

それは見まごう事なく新藤さんとまみちゃん、そして山田美沙さんの三人だった。

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