ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
素敵上司に接近を試みるも……
その翌日、私は早速行動を開始する事にした。
「部長」
間もなくお昼になる頃、私は新藤さんの側に行って声を掛けた。でも、下を向いて何かの書類に目を落としている新藤さんは私に気付いてくれない。
新藤さんを間近で見るのは初めてだけど、昨日の印象より更に若く見える。昨日は40歳ぐらいだろうと思ったけど、今見ると30代の半ばぐらいに見えなくもない。鼻筋が通った凛々しい横顔の肌は滑らかで皺ひとつなく、髪の毛はふさふさで目立った白髪もない。
あ。髭の剃り残しを発見。出勤前に時間がなくて慌てて剃った、って感じかな。なんて、見惚れてちゃいけないわよね。
「部長?」
「…………」
「新藤さん?」
もう一度“部長”と呼んでみたけど反応がなく、試しに苗字で呼んでみた。
「あ、はい?」
するとようやく新藤さんは私に気付いてくれ、顔を私に向けてくれた。昨日は細めと思った目をやや大きく開き、漆黒の瞳で私は見つめられ、思わずドキッとしてしまった。
「部長」
間もなくお昼になる頃、私は新藤さんの側に行って声を掛けた。でも、下を向いて何かの書類に目を落としている新藤さんは私に気付いてくれない。
新藤さんを間近で見るのは初めてだけど、昨日の印象より更に若く見える。昨日は40歳ぐらいだろうと思ったけど、今見ると30代の半ばぐらいに見えなくもない。鼻筋が通った凛々しい横顔の肌は滑らかで皺ひとつなく、髪の毛はふさふさで目立った白髪もない。
あ。髭の剃り残しを発見。出勤前に時間がなくて慌てて剃った、って感じかな。なんて、見惚れてちゃいけないわよね。
「部長?」
「…………」
「新藤さん?」
もう一度“部長”と呼んでみたけど反応がなく、試しに苗字で呼んでみた。
「あ、はい?」
するとようやく新藤さんは私に気付いてくれ、顔を私に向けてくれた。昨日は細めと思った目をやや大きく開き、漆黒の瞳で私は見つめられ、思わずドキッとしてしまった。