ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
きっと美沙さんは、“クリスマスイブの日ぐらい、外食しましょうよ?”とか言って新藤さんを外に連れ出したんだわ。そして私に会い、得意になってニコニコ笑っていたのね。イブの夜は、好きな人と過ごすものだもの……
あ。という事は、私と竹宮さんもそういう風に見られたって事?新藤さんに?
「最悪だわ……」
「ん?」
「あ、ごめんなさい」
やだ。私ったら、つい声に出しちゃったみたい。
「いや、いいんだ。それが彼女の目的だろうね?」
「え?」
「つまり、初めは僕をけしかけて、君とよりを戻させようとした。しかしうまく行かないから、さっきの行動に出たわけだ。自分と義兄との親密さを君に見せつけつつ、君には僕という男がいる、あるいはいた、と上司さんに思わせる事。それが目的だったんだと思うよ」
「そんな事、普通はしませんよね?」
「そうだね。ところで、あの美沙って女に僕の事を話したの?」
「まさか。言うわけないじゃないですか……」
「だよね。という事は、探偵でも雇って君の事を調べたんだろうね」
「探偵?」
「うん。あの女なら、それくらいはやりかねないと思うよ」
「そんな……」
私は薄笑いを浮かべた美沙さんの顔を思い出し、ゾワゾワと背筋に悪寒が走った。
あ。という事は、私と竹宮さんもそういう風に見られたって事?新藤さんに?
「最悪だわ……」
「ん?」
「あ、ごめんなさい」
やだ。私ったら、つい声に出しちゃったみたい。
「いや、いいんだ。それが彼女の目的だろうね?」
「え?」
「つまり、初めは僕をけしかけて、君とよりを戻させようとした。しかしうまく行かないから、さっきの行動に出たわけだ。自分と義兄との親密さを君に見せつけつつ、君には僕という男がいる、あるいはいた、と上司さんに思わせる事。それが目的だったんだと思うよ」
「そんな事、普通はしませんよね?」
「そうだね。ところで、あの美沙って女に僕の事を話したの?」
「まさか。言うわけないじゃないですか……」
「だよね。という事は、探偵でも雇って君の事を調べたんだろうね」
「探偵?」
「うん。あの女なら、それくらいはやりかねないと思うよ」
「そんな……」
私は薄笑いを浮かべた美沙さんの顔を思い出し、ゾワゾワと背筋に悪寒が走った。