ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
次の日。私は大胆にも新藤さんを昼食に誘った。昨夜の事を彼に説明するために。
ここは会社の近くにあるお寿司屋さん。ネタが新鮮でシャリは適度な大きさで、お昼としては少し贅沢だからそうちょくちょくは来れないけど、私のお気に入りのお店の一つだ。
「うん、美味しいね……」
新藤さんは、本マグロの握りをパクリと頬張ると、感心したようにそう言った。
「私、ここのお寿司が大好きなんです」
「なるほど。僕も好きになったよ」
え? なんか、ドキドキしちゃう。お寿司の話をしてるのに、私が言われた気になっちゃう……
なんて、呑気にしてる場合じゃないわね。
「あの、昨夜の事なんですけど……」
「ん?」
「私が一緒にいた人は、その……なんて言うか……」
ああ、言いにくい。というか言いたくない。でも、言わなくちゃ……
「以前に、お付き合いしていた人なんです」
「あ、そう」
「二年ぐらい前に、ほんの半年だけ……」
「そうか」
「あの人とはキッパリお別れしてたんです。昨夜お会いしたのは……」
「美沙さんの策略だろ?」
「……えっ?」
それを私は言おうとしたのに、なんと新藤さんから先に言われてしまった。
美沙さんの策略である事を、たぶん新藤さんは簡単には信じてくれないだろうけど、そこは根気強く説明し、何がなんでも信じてもらおう。そう思っていたのだけど……
ここは会社の近くにあるお寿司屋さん。ネタが新鮮でシャリは適度な大きさで、お昼としては少し贅沢だからそうちょくちょくは来れないけど、私のお気に入りのお店の一つだ。
「うん、美味しいね……」
新藤さんは、本マグロの握りをパクリと頬張ると、感心したようにそう言った。
「私、ここのお寿司が大好きなんです」
「なるほど。僕も好きになったよ」
え? なんか、ドキドキしちゃう。お寿司の話をしてるのに、私が言われた気になっちゃう……
なんて、呑気にしてる場合じゃないわね。
「あの、昨夜の事なんですけど……」
「ん?」
「私が一緒にいた人は、その……なんて言うか……」
ああ、言いにくい。というか言いたくない。でも、言わなくちゃ……
「以前に、お付き合いしていた人なんです」
「あ、そう」
「二年ぐらい前に、ほんの半年だけ……」
「そうか」
「あの人とはキッパリお別れしてたんです。昨夜お会いしたのは……」
「美沙さんの策略だろ?」
「……えっ?」
それを私は言おうとしたのに、なんと新藤さんから先に言われてしまった。
美沙さんの策略である事を、たぶん新藤さんは簡単には信じてくれないだろうけど、そこは根気強く説明し、何がなんでも信じてもらおう。そう思っていたのだけど……