ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
義妹との対決
「こんな事を言っては何だけど、まみちゃんはあの人から虐待されてるんじゃないかしら」
「……虐待?」
美沙さんが絡んでいるとは思ったけど、まさか麻生さんの口から“虐待”という言葉が飛び出すとは、私は思ってもみなかった。
「と言っても肉体的なものじゃなく、精神的に、という意味ですけどね」
「あの、それはどういう事でしょうか。というか、何か根拠がおありなのですか?」
「あります。今日、まみちゃんは初めて癇癪を起こしたのね。きっかけは他愛のない事だったの。勉くん、もう一人お預かりしている男の子なんだけど、その子とオモチャの取り合いをした事なの」
ああ、さっき積み木で遊んでいた男の子ね。
「まみちゃんにしては珍しい事もあるなと思って、むしろ私はホッとしたのね。ところが、癇癪がなかなか収まらなくて大変だったの。そしてようやくそれも収まったと思ったら、その後はずっと塞ぎ込んじゃって、今もそうだけど」
ああ、なるほど……
私はさっき見たまみちゃんを思い浮かべた。横を向き、俯いて背中を丸めたまみちゃんの姿を。もちろん、あんなまみちゃんを見たのは今日が初めてだ。
「あの子、どうしてあんなに塞ぎ込んでるか分かる?」
「え? えっと、それは……」
突然の質問に私は戸惑ってしまった。なぜまみちゃんはずっと塞ぎ込んでいるのか、よね?
うーん……
「……虐待?」
美沙さんが絡んでいるとは思ったけど、まさか麻生さんの口から“虐待”という言葉が飛び出すとは、私は思ってもみなかった。
「と言っても肉体的なものじゃなく、精神的に、という意味ですけどね」
「あの、それはどういう事でしょうか。というか、何か根拠がおありなのですか?」
「あります。今日、まみちゃんは初めて癇癪を起こしたのね。きっかけは他愛のない事だったの。勉くん、もう一人お預かりしている男の子なんだけど、その子とオモチャの取り合いをした事なの」
ああ、さっき積み木で遊んでいた男の子ね。
「まみちゃんにしては珍しい事もあるなと思って、むしろ私はホッとしたのね。ところが、癇癪がなかなか収まらなくて大変だったの。そしてようやくそれも収まったと思ったら、その後はずっと塞ぎ込んじゃって、今もそうだけど」
ああ、なるほど……
私はさっき見たまみちゃんを思い浮かべた。横を向き、俯いて背中を丸めたまみちゃんの姿を。もちろん、あんなまみちゃんを見たのは今日が初めてだ。
「あの子、どうしてあんなに塞ぎ込んでるか分かる?」
「え? えっと、それは……」
突然の質問に私は戸惑ってしまった。なぜまみちゃんはずっと塞ぎ込んでいるのか、よね?
うーん……