ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
「そうです」

「まみちゃんがそう言ったんですか?」

「ううん。そういうわけじゃないけど、そうとしか考えられないもの。パパがそんな事、言うはずないでしょ?」

「もちろんです」

「本当は人様の家の事をとやかく言いたくないんですけど、言わずにいられないと思ったのね。このままだと、まみちゃんの心が壊れちゃうから。それで新藤さんに電話して、新藤さんかあなたに来てほしいと伝えたんです」

「そうだったんですね。ありがとうございます」


麻生さんは私を信頼してくださってるわけで、私はその信頼に応えなくてはいけないと思う。でも、どうやって……


「新藤さんに伝えてくださいね?」

「はい」


それはもちろんするけど、私の役割はそれだけ?
後は新藤さんの判断に任せるの?

もし新藤さんが美沙さんと話し合う道を選んだらどうなるのかしら。彼は美沙さんに負い目があると言ってたから、それは十分あり得ると思う。

その時、美沙さんはどうするだろう。素直に自分の非を認めるかしら……

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