ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
お風呂から上がり、脱いだ服をすぐに着るのも気持ち悪いので、私は新藤さんのTシャツを勝手にお借りした。当然ながら私には大きくて、ちょうどミニのワンピースを着たみたいになってしまった。
ダイニングで、まみちゃんとお互いの髪をタオルで拭きっことかしていたら、玄関の方からカチャというドアが開閉する音がした。新藤さんがいつお帰りになるかわからないので、ドアに鍵は掛けていなかった。
「きっとパパだわ」
「パパ?」
「うん。行こう?」
私が社を出る時、新藤さんもなるべく早く引き上げると言っていたので、おそらく新藤さんが帰って来たのだろうと私は思った。
Tシャツだけの姿は恥ずかしい気がしなくもないけど、私はまみちゃんと共に玄関へ向かった。
ところが、そこにはいたのは新藤さんではなく、今最も会いたくない人、即ち……美沙さんだった。
美沙さんは、真っ直ぐに私を睨んでいた。憎しみのこもった冷ややかな目で。
せっかくお風呂で温まった体が、一気に冷えていくのを私は感じた。
ダイニングで、まみちゃんとお互いの髪をタオルで拭きっことかしていたら、玄関の方からカチャというドアが開閉する音がした。新藤さんがいつお帰りになるかわからないので、ドアに鍵は掛けていなかった。
「きっとパパだわ」
「パパ?」
「うん。行こう?」
私が社を出る時、新藤さんもなるべく早く引き上げると言っていたので、おそらく新藤さんが帰って来たのだろうと私は思った。
Tシャツだけの姿は恥ずかしい気がしなくもないけど、私はまみちゃんと共に玄関へ向かった。
ところが、そこにはいたのは新藤さんではなく、今最も会いたくない人、即ち……美沙さんだった。
美沙さんは、真っ直ぐに私を睨んでいた。憎しみのこもった冷ややかな目で。
せっかくお風呂で温まった体が、一気に冷えていくのを私は感じた。