ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
それっきり新藤さんは黙ってしまい、私からもこれといった話題が思い付かないので、早速核心に触れようと思う。核心と言っても仕事の方の、だけれども。
「新藤さんは昨日のご挨拶で私達に残業しないように、っておっしゃいましたよね?」
「ああ、言ったよ。正確には、なるべく無駄な残業はしないように、って言ったんだけどね」
「そうでしたね。では、それはどのようなお考えからですか?」
「考え、って言われてもね……」
「何か目的があるのですか?」
「目的ね……。質問に質問で返して申し訳ないが、君はどんな目的を想定してるのかな?」
新藤さんはそう言って、その漆黒の瞳で私の目を真っ直ぐに見た。まるで私の心の中を探ろうとでもするかのように。
「べ、別に想定なんかは……」
「いや、してるよね? それが正しいかどうかを知りたくて、僕に訊いたんだろ?」
うっ。さすがに鋭いわね。でも、意地悪だわ……
「新藤さんは昨日のご挨拶で私達に残業しないように、っておっしゃいましたよね?」
「ああ、言ったよ。正確には、なるべく無駄な残業はしないように、って言ったんだけどね」
「そうでしたね。では、それはどのようなお考えからですか?」
「考え、って言われてもね……」
「何か目的があるのですか?」
「目的ね……。質問に質問で返して申し訳ないが、君はどんな目的を想定してるのかな?」
新藤さんはそう言って、その漆黒の瞳で私の目を真っ直ぐに見た。まるで私の心の中を探ろうとでもするかのように。
「べ、別に想定なんかは……」
「いや、してるよね? それが正しいかどうかを知りたくて、僕に訊いたんだろ?」
うっ。さすがに鋭いわね。でも、意地悪だわ……