ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
「楠君」
職場に戻り、そろそろ営業に出ようとしていたら、食事から戻って来たらしい課長と佐藤さんが私に小声で話し掛けてきた。
「はい?」
「どうだった?」
「何がですか?」
「何がじゃないよ。部長に聞いてくれたんだろ? 時間外の件を……」
ああ、その事ね。二人ともすごく気にしてるみたい。気持ちはわかるけども。
新藤さんとはあれ以降はその話をしなかったけど、たぶん新藤さんにその気はないと思う。つまり、残業を減らして打ち切り時間外手当をカットしようとはしないと思う。
それを言えば課長達は安心するだろうけども……
「訊いたんですけど、何とも言えませんね。もう少し探ってみますので、待ってもらっていいですか?」
と私は答えた。だって、お役ご免だと、私が新藤さんに接近する大義名分がなくなってしまうから。
「そうか。よろしく頼むよ。できれば部長には思い留まってほしいな」
「わかりました。任せてください」
二人ともごめんなさい。もう少し時間をください。そうすれば、大義名分がなくても接近できるようにするので。
職場に戻り、そろそろ営業に出ようとしていたら、食事から戻って来たらしい課長と佐藤さんが私に小声で話し掛けてきた。
「はい?」
「どうだった?」
「何がですか?」
「何がじゃないよ。部長に聞いてくれたんだろ? 時間外の件を……」
ああ、その事ね。二人ともすごく気にしてるみたい。気持ちはわかるけども。
新藤さんとはあれ以降はその話をしなかったけど、たぶん新藤さんにその気はないと思う。つまり、残業を減らして打ち切り時間外手当をカットしようとはしないと思う。
それを言えば課長達は安心するだろうけども……
「訊いたんですけど、何とも言えませんね。もう少し探ってみますので、待ってもらっていいですか?」
と私は答えた。だって、お役ご免だと、私が新藤さんに接近する大義名分がなくなってしまうから。
「そうか。よろしく頼むよ。できれば部長には思い留まってほしいな」
「わかりました。任せてください」
二人ともごめんなさい。もう少し時間をください。そうすれば、大義名分がなくても接近できるようにするので。