ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
「ところで莉那。あんたずっとビールをチビチビ飲んでるけど、冷酒とかにしないの?」

「いいの。明日も飲み会だから、今夜は控えようと思って……」


私はお酒はかなり好きな方で、いつもはビールから早々に日本酒や焼酎に変えるのだけど、今夜は明日に備えてビールだけにしている。


「そう? どんな飲み会なの?」

「それがね……」


それについては自分から話そうと思ってたから、恭子から聞いてくれて正に“渡りに船”って感じ。


「新藤さんの歓迎会」

「ふーん。という事は……チャンスじゃない?」

「そうなのよ……」


さすが恭子だわ。

というのは、新藤さんは毎日定時で帰っちゃうから、仕事の後に彼と出掛けた事は一度もないし、そのチャンスもなかった。

でも、明日は新藤さんが主役なんだからもちろん彼は出席するだろうし、お酒が入れば何かのハプニングが起きる可能性がある。

つまり、私が新藤さんに急接近するチャンスがあるかもしれないって事だ。失敗をやらかす可能性もあるのだけど。

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