ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
ママと呼ばれたい
「イヤよ。私、やめないもんね」


そう言って、私は恭子の顔をジッと見つめた。恭子も少しの間、私の事を難しそうな顔で見返していたけど、やがてフッと笑い、


「莉那ならそう言うと思ったわ」


と言った。そして、


「あんたがそれを覚悟の上なら、私は何も言う事はないわ」


と言ってパスタを食べ始めた。


「ちょっと、それって呆れたって事?」

「違うわよ。あんたらしいなって事。私が反対したって、どうせ聞かないでしょ?」

「そんな事は……。でも、新藤さんについてはその通りね」

「ほら見なさい。ま、うまく行くように頑張ったら? 私も陰ながら応援するし……」

「う、うん……」


私も手を動かし、食べるのを再開したけど、それを味わうどころではなかった。これから私はどう行動すればいいのか。そもそも新藤さんは私をどう思っているのか。そんな事が頭の中でグルグル渦巻いて……

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