ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
奥様の妹さん登場
「お母さん……?」
「だからって諦めるの? 何もしないで? あなたって、そんな根性なしだったの?」
「だって……」
「そりゃあ、新藤さんは今はそういうお気持ちかもしれないけど、好きな相手が出来ればお考えは変わるんじゃないかしら。要するに、好きになってもらえばいいのよ。そうでしょ?」
「そ、そうかなあ」
「そうよ。だから頑張ってみればいいでしょ? 諦めるのはそれからでも遅くないと思うわよ?」
我ながら単純だなあと思うけど、母の言葉でまた闘志が湧いて来た。メラメラっと……
「わかった。私、頑張ってみる」
「そう? やっと莉那らしくなったわね?」
母はニコッと笑い、私の頭に手を乗せるとスクッと立ち上がった。
「じゃあね。おやすみなさい」
「おやすみなさい。…………あ、お母さん」
私は不意にある事を思い出し、部屋を出る母を呼び止めた。
「なあに?」
「明日なんだけど、帰りが遅くなると思うの。もしかすると、帰らないかも……」
「あらま。もしかして、また新藤さんのお宅に?」
「う、うん。ダメ?」
「ダメじゃないけど、あまり無茶はしないでよ?」
「はーい」
なんちゃって。多少の無茶は、しちゃうかなあ……
「あ。それと、お父さんには、まだ……」
「大丈夫よ。黙っててあげるわ」
「ありがとう」
父には新藤さんの事はまだ内緒にしておきたかった。昔から私に対して過保護気味な父だけに、知られたら何を言われるわからないから。そしてその事は、母もわかっていたみたい。
「だからって諦めるの? 何もしないで? あなたって、そんな根性なしだったの?」
「だって……」
「そりゃあ、新藤さんは今はそういうお気持ちかもしれないけど、好きな相手が出来ればお考えは変わるんじゃないかしら。要するに、好きになってもらえばいいのよ。そうでしょ?」
「そ、そうかなあ」
「そうよ。だから頑張ってみればいいでしょ? 諦めるのはそれからでも遅くないと思うわよ?」
我ながら単純だなあと思うけど、母の言葉でまた闘志が湧いて来た。メラメラっと……
「わかった。私、頑張ってみる」
「そう? やっと莉那らしくなったわね?」
母はニコッと笑い、私の頭に手を乗せるとスクッと立ち上がった。
「じゃあね。おやすみなさい」
「おやすみなさい。…………あ、お母さん」
私は不意にある事を思い出し、部屋を出る母を呼び止めた。
「なあに?」
「明日なんだけど、帰りが遅くなると思うの。もしかすると、帰らないかも……」
「あらま。もしかして、また新藤さんのお宅に?」
「う、うん。ダメ?」
「ダメじゃないけど、あまり無茶はしないでよ?」
「はーい」
なんちゃって。多少の無茶は、しちゃうかなあ……
「あ。それと、お父さんには、まだ……」
「大丈夫よ。黙っててあげるわ」
「ありがとう」
父には新藤さんの事はまだ内緒にしておきたかった。昔から私に対して過保護気味な父だけに、知られたら何を言われるわからないから。そしてその事は、母もわかっていたみたい。