ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
「りなちゃん、おいちいでちょ?」
「う、うん。美味しね!」
新藤さんお手製のカレーを戴き始めると、私の隣で子供用の椅子にちょこんとお座りをしたまみちゃんが私に訊いてくれた。
もちろん美味しいね、と答えた私だけど、本音を言うと、ちょっと……。お芋もお肉も柔らかく、適度にコクがあって美味しいはずなのに、何かが足りないような……
「甘いだろ?」
そんな私の疑問を察したかのように、新藤さんはそう言った。
ああ、そうか。甘いんだわ。そして、カレー特有のピリッとした辛味がない。
「まみはまだ辛い物はダメなんでね。家のカレーはいつも甘口なんだ」
「そ、そうですよね? でも、とっても美味しいです」
「そうかい? それはどうもありがとう」
そうなのね……
お料理だけじゃなく、小さい子どもの事も勉強しなくっちゃだわ。
まみちゃんは静かに、それでいて一生懸命にご飯を食べていた。でも上手にスプーンですくえなかったりもして、そんな時は新藤さんがスッと手を伸ばしてまみちゃんを助けてあげたりしていた。
それがとても微笑ましく、それと同時に、新藤さんのように出来ない自分がもどかしかったりもした。
楽しい食事が終わった時、まみちゃんが私に話し掛けてくれた。
「いっちょにおぷろはいろ?」
と。“一緒に”は解ったけど、“おぷろ”って……ああ、お風呂ね?
「こら、まみ。おまえは何を言って……」
すぐに新藤さんはまみちゃんを咎めたけど、少しでも長居したい私としては願ったり叶ったりなわけで……
「入ろうか?」
と、ちゃっかり言ったちょうどその時……
ピンポーン
来訪者を告げるチャイムが鳴った。
「う、うん。美味しね!」
新藤さんお手製のカレーを戴き始めると、私の隣で子供用の椅子にちょこんとお座りをしたまみちゃんが私に訊いてくれた。
もちろん美味しいね、と答えた私だけど、本音を言うと、ちょっと……。お芋もお肉も柔らかく、適度にコクがあって美味しいはずなのに、何かが足りないような……
「甘いだろ?」
そんな私の疑問を察したかのように、新藤さんはそう言った。
ああ、そうか。甘いんだわ。そして、カレー特有のピリッとした辛味がない。
「まみはまだ辛い物はダメなんでね。家のカレーはいつも甘口なんだ」
「そ、そうですよね? でも、とっても美味しいです」
「そうかい? それはどうもありがとう」
そうなのね……
お料理だけじゃなく、小さい子どもの事も勉強しなくっちゃだわ。
まみちゃんは静かに、それでいて一生懸命にご飯を食べていた。でも上手にスプーンですくえなかったりもして、そんな時は新藤さんがスッと手を伸ばしてまみちゃんを助けてあげたりしていた。
それがとても微笑ましく、それと同時に、新藤さんのように出来ない自分がもどかしかったりもした。
楽しい食事が終わった時、まみちゃんが私に話し掛けてくれた。
「いっちょにおぷろはいろ?」
と。“一緒に”は解ったけど、“おぷろ”って……ああ、お風呂ね?
「こら、まみ。おまえは何を言って……」
すぐに新藤さんはまみちゃんを咎めたけど、少しでも長居したい私としては願ったり叶ったりなわけで……
「入ろうか?」
と、ちゃっかり言ったちょうどその時……
ピンポーン
来訪者を告げるチャイムが鳴った。