ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
つまり、デートのお誘い。うっそー、って感じだけど、間違いないと思う。


「ありません。何にもありません」


私は急いでそう答えた。新藤さんの気が変わらない内に。予定はあったかもしれないけど、それは一切考えずに。だって、例えあったとしても、新藤さんとのデートより大事な予定なんて、存在するわけないのだから。


そして私は新藤さんの言葉を待った。期待に胸を膨らませながら。ところが……


「そ、そうか」


新藤さんはそれしか言わなかった。私の勢いに、少し驚いた様子で。

私は、新藤さんの続く言葉を辛抱強く待った。と言っても、たぶん10秒くらいだけれども。でも痺れを切らし、


「明日は何か……?」


と聞いてみた。もちろん、デートのお誘いを期待したのだけど……


「い、いや、聞いてみただけなんだ。ごめん」


という事らしい。

私の大きく膨らんだ胸が、一瞬で萎んでしまったのは言うまでもない。

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