僕と君とのともだち記録
「あっ....あの.........」
キラは自分の記憶を確かめるように
声をかけるが、
少女は静かに歩きはじめる。
-まるで何事もなかったように
見えていない?
それとも
自分が存在していない?
そんなはずはないのに、
たまらなく不安になり、心臓が
バクバクとなりたてる。
何か言わなくては.....。
頭の中で言葉がぐるぐるとまわり、
緊張のあまり、手あせまでにじんできた。
考えに考え、たどり着いた精一杯
の一言。
「僕とともだちになって下さい。」
やっとのことで
キラの口から出てきたのは、
そんなまぬけな言葉だった。