【短編集】stars★
卑怯かもしれないけど、こうでもしないとひきずっちゃうから。
「なんで!?」
掴まれた腕に力が入る。
「痛いよいっちゃん」
「あ、ごめん…」
いっちゃんは手をはなした。
あたしの腕には赤い痕が残った。
「…好きな人いるんだろ?」
「だって、その人には好きな人がいるんだもん」
ここまで言ったらいっちゃん気づいちゃうかも…
「…頌子、誰が好きなの?」
聞かないでよ…
言いそうになっちゃう。
「教えない」
たぶん、あたしの顔は真っ赤だろう。
いっちゃん、わかったでしょ?
あたしが好きなのはいっちゃんだよ。
でも、言ってもフラれるだけ。